適度な飲酒と過度な飲酒量

今日はアルコールの話です。私もよく友人と飲みに行ったりしますが、飲み過ぎが体に悪いのはわかっていても、1杯で終わらず、2杯、3杯と飲んでしまったり。

「酒は百薬の長」と言う言葉もあり、「お酒を飲んだ方が良く眠れて調子がいい!」という人もいますが、果たして、このお酒は本当に健康に良いのでしょうか?
それとも少量でも悪いのでしょうか?

結論から先に言うと、過剰な飲酒はもちろん害があり、適度な飲酒であればさほど害はない、ということになります。

WHOによれば、お酒は60種類以上もの病気の原因になり得ると言われており、飲み過ぎは健康を損ねるという事に間違いはありません。

アルコールを長期間、大量に飲み過ぎると体に負担がかかり、アルコール依存症、糖尿病、痛風、脳の萎縮などの原因となったり、肝臓や胃腸、循環器など様々な臓器にも障害を引き起こします。

「節度ある適度な飲酒量」を厚労省が定めていますが、純アルコール量20g/回程度の飲酒を指します。20gとは大体「ビール中ビン1本」「日本酒1合」「チュウハイ(7%)350mL缶1本」「ウィスキーダブル1杯」に相当。女性の場合は、これよりさらに減り半分から1/3の量が適正飲酒量となっています。

これらの値はあくまでも目安であって、女性や高齢者、体質的にお酒が弱い人は、少量でも上記のような疾患リスクになりえます。

では、「体に害を及ぼす過剰な飲酒量」はというと、同じく厚労省によれば、純アルコール量60g/回程度の飲酒を指します。度数5%のビールであれば1500ml/回程度。これは「節度ある適度な飲酒量」の3倍でかなりの酒量ですよね。

適度な飲酒と過度な飲酒量

適度な飲酒と過度な飲酒量

良いと言う説、悪いと言う説

お酒が健康に良いと言う説は、イギリスの学者マーモットによる研究結果で、「お酒を飲み過ぎたり、まったく飲まないよりも、適度に飲むことで死亡率は低くなる」と発表しました。
これによると、アルコールが血液中の善玉コレステロールを増やし、高血圧、虚血性心疾患、脳卒中を引き起こす動脈硬化を防ぐ効果があるということです。

しかし、お酒が健康に悪いという説もあり、カナダのヴィクトリア大学と豪州国立薬物調査研究所の共同研究チームによると「適度な飲酒に寿命延長の効果はなく、飲酒しない人と寿命に違いはない」という結果が発表されました。
これは、アルコールと死亡率の関係を追跡調査した研究論文87件を解析したものによります。飲酒が動脈硬化症や冠動脈疾患など、一部の疾患リスク低下と関係があることは認めつつも、「飲酒によってリスクが上昇する疾患で、結果的にアルコールの健康効果とされるものは相殺されているのだろう」と研究者らはコメントしています。

また、英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに掲載された論文によると、節度ある適度な飲酒であっても、脳の損傷や知的技能のわずかな低下につながるとの研究が発表されています。これによると、1週間に14~21杯の飲酒を数十年続けた男女は一切飲酒をしない人と比べてると、海馬が萎縮する可能性が2~3倍高まるということです。

これらの研究結果から判断してみると、健康な人にとって適度な飲酒は「ある疾患の発症率が下がるが、別の疾患の発症率が上がる」ということになります。
いずれにせよ、1日の適正量を守って飲酒することが大事。お酒が好きな方は、最低でも週2日以上の休肝日を持ち節度ある飲酒を心掛けましょう。

ライター 松尾まみ