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交通事故死者の4倍。なぜ高齢者の「入浴事故死」は多いのか? Vol.2

交通事故死者の4倍。なぜ高齢者の「入浴事故死」は多いのか? Vol.2

 

健康コラム

『「温泉失格」著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』

 

飲酒する事でリスクはさらに増す

 

平時でもこれだけのリスクがあるわけだから、飲酒をしたらいっそうリスクが増えるのは言うまでもない。
宿の夕食時にたっぷりと酒を飲んでしまったら、その後の入浴は避けることも重要だ。

ちなみに「高齢者入浴アドバイザー協会」では、「深酒したときは入浴禁止、晩酌程度であれば、1~2時間後に入浴すること」としている。

アルコールは血管拡張作用があり、入浴するとさらに血管が拡張して、急激な血圧降下、脳貧血、不整脈を起こしやすい、とその理由が書かれている。そもそも、今回この内容を取り上げて欲しい、という話をしてくれたのは、この「高齢者入浴アドバイザー協会」の鈴木知明代表理事である。

この方は、年間の入浴事故死者が2万人近くもいることを異常な状況だとして、どうにかこれを減らしたい、という一念で会社を辞めてこの協会を立ち上げた人である。

僕も同協会認定の高齢者入浴アドバイザーだが、この資格は、『高齢者の安全入浴に関する教本』という本を購入し、しっかりと内容を理解して、付属のはがきで認定テストの答えを書いて申請するだけ。 認定料はわずか3000円。これ、やっていけるのか? というくらい安い。

 
高齢者入浴アドバイザー協会
 

金儲けでなく、入浴事故を減らすことを最優先に考えて、正しい入浴知識を広めたい、という氏の願いが見える。その鈴木氏が、過去の論文を探しまくって、以下のような情報をくれた。

「少し古いですが、1986年~2001年の上山温泉のデータで、入浴中に死亡した人の約8割がお酒を飲んでいました」

8割ですよ8割。ことほどさように、飲酒しての入浴はリスクが高いのだ。
僕は酒を飲むと激アツ湯に入りたくなってしまう人間だったのだが、草津に住むようになってから、飲酒後の入浴をやめてしまった。

 

それでも露天風呂で雪見酒を楽しみたいなら、守るべき2つの事

 

最初の話に戻るが、露天風呂で雪見酒、花見酒、というのは確かに魅力的だ。
大酒飲みの僕としても、宿が善意で行っているサービスを無下(むげ)に否定できない気もする。

そこで、このようなサービスをもしも利用する場合には、第一に決してひとりで入浴しないこと、数人で1合のお銚子をわけて、ひとりお猪口1杯くらいを飲んで雰囲気を楽しみ、あとは湯上がりに飲むことをおすすめしたい。 むろん、入浴前後の水分補給は必須である。

こうしたサービスを提供する宿の人たちも、前述のような危険を理解した上で間違っても事故に結びつくようなサービスはしないでいただきたいと思う。